正月恒例のTV番組、「芸能人格付けチェック」が人気なように、人は格付け、ランキングが大好きですよね。

神社にも「社格」という格付け(ランク)があります。いろいろな神社にお参りしたときに、「この神社デカいなー、立派だなー」とか「なんかショボいんだけど大丈夫・・・」とか感じたりすることありませんか?

せっかく神社にお参りするなら、格付けの高い神社にお参りしたいと思うのは当然の感情です。

でも神社の格付け(ランク)って、どうやって判断するの?誰が決めたの?伊勢神宮と出雲大社ってどっちが格式が上なの?などなど、神社の格式(ランク)については、疑問がいくつも出てきます。

神社の社格ってとても分かりにくいんですよね。

この記事では、下記のことをわかりやすくお伝えします。

●神社の格式をどうやって判断するのか?
●「社格」と「社号」の違い
●よく耳にする「一宮」とは何なのか?
●日本各地の一宮のリスト
●神社の格付け(ランク)と人気は比例するのか?

これらのことを知っておくことによって、あなたは鼻を高くして神社に参拝することができるでしょう。

ぜひ最後まで読んでください。では参ります!

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神社の格式ってわかりにくい。理解するポイントは○○

最初にお断りしておくと、現在は公的な神社の格付け(ランク)は表向き、存在しません。

現在は存在しないということは、過去には存在していたということですし、「表向き」ということは、実際には格付けは存在しているということです。

社格を理解するときのポイントは「時代」によって神社の格付け方法が違うというのを理解しておくことです。

例えば社格のひとつに「官幣大社かんぺいたいしゃ」という社格があります。

この「官幣大社」と「一宮」はどっちが格付けが上なの?と考えるのは、小説家と歌手はどっちが偉いの?と質問するのと同じくらい的外れなことなのです。

種類というか属性というか全く違うのだから比較のしようがないじゃないですか。小説家は小説家というカテゴリーの中で、歌手は歌手というカテゴリーの中で格付け(ランク)は比較するべきですよね。

社格を理解するためには、時代によって違う神社の格付け制度を理解しておかなければならないのです。ポイントは「時代」です。

その時代とは下の3つです。

①古代 ②中世 ③近代

それぞれの時代における社格制度について簡単に見ていきましょう。

古代社格制度(式内社・式外社)

まずは古代の社格制度です。古代の社格制度とは、あなたも中学校の日本史で勉強した「大宝律令」によって規定されたものです。701年のことですから、今から1300年以上前ということですね。

この時代、国家によって、延喜式神名帳えんぎしき じんみょうちょうというものが作られました。

重要な神社のリストだと思ってください。これに記載された神社が全国で2861社ありまして、これらの神社を式内社しきないしゃといいます。「延喜式えんぎしきの内に記載された神社」という意味です。

したがって、記載されなかった神社を「式外社しきげしゃ」といいます。

この帳面に記載された基準はハッキリ言ってわかりません。この当時は神社と政治は深く結びついていたので、想像するに、神社の神主さんと国の政治家との関係がどれだけ深かったかというところではないでしょうか。袖の下を送った神主さんとかいるかもしれないし。

いずれにしても古代の社格制度は延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょうに記載された2861社の中で行われています。

古代社格制度での格付け順

ではこの2861社の中での格付けはどうなっているのでしょう。それが次の図です。

古代社格制度におけるランク

官幣社かんぺいしゃ神祇官しんぎかんより奉幣ほうへいを受ける神社で、国幣社こくへいしゃ国司こくしより奉幣ほうへいを受ける神社のこと。それぞれに大・小の格があります。

※神祇官=朝廷の祭祀を司る官庁
※奉幣=天皇の命により神社にお供えをすること
※国司=地方行政単位である国(出雲国とか山城国とか)の行政官として中央から派遣された役人

中世社格制度

古代の社格制度を規定した大宝律令が制定されたのは飛鳥時代。それから時は流れて平安時代の後期なると、中世社格制度が確立されていきます。

中世社格制度を理解する上でのポイントは日本という国家全体地方(今でいう都道府県)の社格を混同しないことです。

中世の社格制度を理解するときのキーワードは次の4つです。

一宮・総社・国司奉弊社・二十二社

このうち「一宮」「総社」「国司奉弊社こくしほうへいしゃ」は地方(都道府県)内の格付けです。

なので、○○国の一宮と△△国の一宮はどっちが格上なの?といったって、どちらも「うちのほうが上よ!」となるわけです。

地方(都道府県)の中でも一宮の座を狙っていざこざがあったと想像できます。

「二十二社」については、地方(都道府県)レベルではなく、国家として重要な神社を指定したのですが、古代の延喜式えんぎしきとは別物なのです。これらを頭に入れた上で各キーワードを見ていきましょう。

一宮

一宮は地方(都道府県)で一番有力な神社のことです。中央から役人が国司として地方に赴任したときには、任国内の神社を巡拝(神拝しんぱいという)する義務がありました。

その中でもっとも有力な神社を一宮と呼ぶようになり、一番初めに参拝していたのです。

国によっては二宮、三宮もありました。

有力な神社ってどうやって決まったの?という疑問はありますが、主祭神しゅさいじんの格とか、神主の政治力とかそんなところではないでしょうか。

だから同じ地方でも時代によって一宮が変わっていたりします。

地方からはじまった一宮の制度が中央(畿内)にも広がっていきました。

中世当時の諸国名とそれぞれの一宮を記事の最後で紹介しています。

総社

国司が神拝するときに、任国内の神社をいちいち回っていたら時間がかかるので、「もっと簡単にしようよ」ということで、回る神社をまとめちゃったんですね。それが総社です。

国司奉幣社

国司奉幣社こくしほうへいしゃは各国の国内神名帳に記載のある神社のことです。ここに記載されている神社を国司さんは任官したときに神拝したのです。

で、それらをいちいち全部まわるのが面倒ということで総社ができたということですね。

これも各国レベルで有力な神社が記載されていたのでしょう。古代社格制度の延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょうの地方版といったところでしょうか。

二十二社

二十二社とは延喜式とは関係なく、国家の一大事(災害とか)に朝廷が奉幣した22の有力神社のことです。

朝廷のお気に入り神社ということでしょう。その二十二社の中でも3ランク(上・中・下)があります。以下の通りです。

ランク 社名 所在地 旧社格 創建
上七社 神宮(伊勢神宮) 三重県伊勢市 神宮 300年代後半?
石清水八幡宮 京都府八幡市 官幣大社 860年
賀茂別雷神社(上賀茂神社) 京都府京都市北区 官幣大社 678年
賀茂御祖神社(下鴨神社) 京都府京都市左京区 官幣大社 200年代後半?
松尾大社 京都府京都市西京区 官幣大社 701年
平野神社 京都府京都市北区 官幣大社 794年
伏見稲荷大社 京都府京都市伏見区 官幣大社 710年前後
春日大社 奈良県奈良市 官幣大社 768年
中七社 大原野神社 京都府京都市西京区 官幣中社 784年
大神神社 奈良県桜井市 官幣大社 有史以前?
石上神宮 奈良県天理市 官幣大社 200年代後半?
大和神社 奈良県天理市 官幣大社 200年代後半?
廣瀬大社 奈良県北葛城郡河合町 官幣大社 200年代後半?
龍田大社 奈良県生駒郡三郷町 官幣大社 200年代後半?
住吉大社 大阪市大阪市住吉区 官幣大社 731年
下八社 日吉大社 滋賀県大津市 官幣大社 有史以前?
梅宮大社 京都府京都市右京区 官幣中社 800年頃?
吉田神社 京都府京都市左京区 官幣中社 859年
廣田神社 兵庫県西宮市 官幣大社 201年
八坂神社 京都府京都市東山区 官幣大社 656年
北野天満宮 京都府京都市上京区 官幣中社 947年
丹生川上神社(中社) 奈良県吉野郡東吉野村 官幣大社 675年
丹生川上神社上社 奈良県吉野郡川上村 官幣大社 不詳
丹生川上神社下社 奈良県吉野郡下市町 官幣大社 不詳
貴船神社 京都府京都市左京区 官幣中社 不詳

近代社格制度(旧社格)

さあ、いよいよ現在神社の格付け(ランク)を判断するのに利用される近代社格制度についてです。

近代の社格制度は簡単にいうと、古代の延喜式による社格をさらに細かく分類したというところです。 明治維新の後、延喜式をもとに国が新たに作った社格制度です。

ただしこの社格制度も第二次世界大戦後、GHQによる神道指令によって廃止されることになります。

だから冒頭でお話したように、現在は表向き社格というのは存在しないということなのです。

格付けが下だった神社にしてみれば、「社格制度なくなってラッキー!」でしょうが、格付けが上だった神社はやはり正式にはなくなった制度でも過去の格付けを誇りたいですよね。

ということで、現実的には近代社格制度(旧社格)をもとに神社の格付け(ランク)は判断されています。

旧社格による格付け順

旧格付けによる神社のランク付けは下の通りです。

近代社格制度(旧社格)におけるランク

各神社の旧社格を知るにはどうすればいいの?

神社の格付けはわかったけど、具体的にあの神社の社格(旧社格)を知るにはどうすればいいの?という疑問が出てきますね。

各神社の旧社格を知るには下記の方法があります。

①神社の社号標を見る
②神社の由緒書を見る
③ネットで調べる
④社務所に電話して聞く

社号標というのは、これです。

八坂神社の文字の上に「官幣大社」とありますね。

この社号標に社格が表示されていることがあります。

①、②の方法では、実際に神社に行ってみないとわからないということになるので、ネットで調べるか、社務所に電話して聞くのが現実的でしょう。グーグルで「○○神社 旧社格」と検索すれば、ほとんどの神社の旧社格情報は何らかのサイトで確認できます。

社格と社号の違い

ここまで神社の格式(ランク)について見てきましたが、社格と似た言葉に「社号」があります。社号とは何なのでしょうか?神社のランクに関係するのでしょうか?

社号とは、神社の称号(呼び名)のことです。

明治神宮●●、出雲大社●●、貴船神社●●などの「神宮」「大社」「神社」という部分。

この社号には6種類あります。祭神の尊貴さや社格の高さによって、大神宮・神宮・宮・大社・神社・社の6種類があります。

つまり社号を見ることによって、神社の社格がある程度わかるということですね。

ではそれぞれ少し詳しく見ていきましょう。

神宮

神宮とは本来は伊勢神宮のことを指します。近代社格制度の所でも見たように、伊勢神宮は別格とされたのです。伊勢神宮は通称なんですね。神宮は皇室の祖先神をお祀りする格式高い神社につけられる社号です。

大神宮

「大神宮」という社号は現在、東京大神宮のみ認められている社号です。

東京大神宮の主祭神は天照皇大神あまてらすおおみかみ豊受大神とようけのおおかみで、伊勢神宮から勧請かんじょうしています。

※勧請=神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること。

江戸時代以降、政治の中心は現在の東京になったので、江戸から伊勢神宮へお参りするには道のりが遠く、参拝するにはとても不便でした。そのため、明治天皇によって伊勢神宮の遙拝殿ようはいでんとして東京大神宮を創建したのです。

※遙拝=遠く離れた所から神仏などをはるかにおがむこと。

宮は天皇や皇室の方、国に関わりのあった人物が祀られている神社につけられている社号です。最も有名なのは東照宮でしょうか。いわずと知れた徳川家康が祀られています。天満宮は菅原道真ですね。

大社

大社はその地域で規模の大きな神社の社号に使われます。大社といってすぐに思い浮かぶのは出雲大社でしょう。元々、大社の称号は出雲大社のみでしたが、終戦後に近代社格制度が廃止されて以降、大規模な神社が大社を名乗るようになりました。

諏訪大社、春日大社、宗像大社など。全国各地の神社ではさまざまな神様を祀っていますが、その神様の総本社が大社と名乗ることが多いです。ちなみに出雲大社の正式な読み方は「いずもおおやしろ」です。

神社

「神社」はもっとも一般的な神社の社号です。神社庁に登録のある神社だけでも全国に約8万社以上あります。「神社」という社号には規模や祭神などの基準がないので、大小多くの神社が称号としています。

「社」はあなたの想像通り、小さな神社に使われる社号です。多くの場合、祭神は大きな神社から勧請されています。「社」の社号を持つ神社が最も多いのではないでしょうか。身近にある神社と言えます。

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神社の格式と人気は比例するのか?参拝者数の多い神社ランキング

ここまで、神社の社格、社号について見てきました。ところで社格の高い神社というのはやっぱり人気の高い神社なのでしょうか?

どうせ参拝するなら、誰でも格式の高い神社に参拝したいというのが人情なので、神社の格式と人気は比例しそうですが、一応調べてみました。

正月三が日の初詣に訪れた人数と神社の旧社格を一覧にしました。

1 明治神宮(東京都渋谷区):約319万人 官幣大社
2 伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区):約277万人 官幣大社
3 住吉大社(大阪府大阪市住吉区):約260万人 官幣大社
4 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市):約251万人 国幣中社
5 熱田神宮(愛知県名古屋市熱田区):235万人 官幣大社
6 大宮氷川神社(埼玉県さいたま市大宮区):約205万人 官幣大社
7 太宰府天満宮(福岡県太宰府市):約204万人 官幣中社
8 生田神社(兵庫県神戸市中央区):約155万人 官幣中社
9 宮地嶽神社(福岡県福津市):約108万人 県社
10 八坂神社(京都府京都市東山区):約100万人 官幣大社
11 春日大社(奈良県奈良市):約95万人 官幣大社
12 湊川神社(兵庫県神戸市中央区):約90万人 別格官幣社
13 北海道神宮(北海道札幌市中央区):約82万人 官幣大社
14 笠間稲荷神社 (茨城県笠間市):約81万人 村社
15 橿原神宮 (奈良県橿原市):約76万人 官幣大社
16 愛宕神社(福岡県福岡市西区):約70万人 府社
17 鹿島神宮 (茨城県鹿島市):約67万人 官幣大社
18 宗像大社(福岡県宗像市):約65万人 官幣大社
19 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市):約65万人 県社
20 妙見本宮千葉神社(千葉県千葉市中央区):約63万人 県社

これを見ると、やはり参拝者数の多い人気の神社は、旧社格で最高ランク(伊勢神宮を除く)の官幣大社が20社中13社と多く、格式の高い神社と人気はやはり比例しているようですね。

(ちなみに、神社の参拝者数ってどうやって調べるんだろう?入場券があるわけでもないのに。なんて思って調べてみると、一定の広さの場所の人の密度を事前に調査しておき、その密度が何時間継続したかでだいたいの人数を把握するみたいです。なるほどね。)

中世日本諸国における一宮リスト

最後に旧国名・廃藩置県対照表をもとに、各国の一宮がわかるように一覧にまとめました。あなたのお国の一宮を確認するのにお役立てください。

国によっては一宮がなかったり、多い国では4社存在するところもありますね。

地方 旧国名 都道府県名 一宮
東北 陸奥 秋田  
青森  
岩手  
宮城 鹽竈神社
福島 都都古和氣神社
都々古別神社
出羽 秋田  
山形 鳥海山大物忌神社
関東 安房 千葉 安房神社
上総 玉前神社
下総 香取神宮
茨城  
常陸 鹿島神宮
下野 栃木 二荒山神社(宇都宮)
二荒山神社(日立)
上野 群馬 一之宮貫前神社
武蔵 埼玉 氷川神社
東京 小野神社
相模 神奈川 寒川神社
静岡
中部 伊豆 三嶋大社
駿河 富士山本宮浅間大社
遠江 小国神社
事任八幡宮
三河 愛知 砥鹿神社
尾張 真清田神社
美濃 岐阜 南宮大社
飛騨 飛騨一宮水無神社
信濃 長野 諏訪大社
甲斐 山梨 浅間神社
越後 新潟 彌彦神社
居多神社
天津神社
佐渡 度津神社
越中 富山 気多神社
高瀬神社
射水神社
雄山神社
能登 石川 氣多大社
加賀 白山比咩神社
石部神社
越前 福井 氣比神宮
若狭 若狭彦神社
近畿 近江 滋賀 建部大社
丹後 京都 籠神社
山城 賀茂別雷神社
賀茂御祖神社
丹波 出雲大神宮
但馬 兵庫 出石神社
粟鹿神社
播磨 伊和神社
摂津 住吉大社
和泉 大阪 大鳥大社
河内 枚岡神社
大和 奈良 大神神社
紀伊 和歌山 日前神宮・國懸神宮
丹生都比売神社
伊太祁曽神社
伊勢 三重 椿大神社
都波岐神社
伊賀 敢国神社
志摩 伊雑宮
伊射波神社
淡路 兵庫 伊弉諾神宮
四国 阿波 徳島 上一宮大粟神社
一宮神社
大麻比古神社
八倉比売神社
土佐 高知 土佐神社
伊予 愛媛 大山祇神社
讃岐 香川 田村神社
中国 備前 岡山 吉備津彦神社
美作 中山神社
備中 吉備津神社
備後 広島 吉備津神社
安芸 厳島神社
周防 山口 玉祖神社
長門 住吉神社
石見 島根 物部神社
出雲 出雲大社
隠岐 水若酢神社
由良比女神社
伯耆 鳥取 倭文神社
因幡 宇倍神社
九州 筑前 福岡 住吉神社
筥崎宮
筑後 高良大社
豊前  
大分 宇佐神宮
豊後 柞原八幡宮
西寒多神社
日向 宮崎 都農神社
大隅 鹿児島 鹿児島神宮
薩摩 枚聞神社
新田神社
肥後 熊本 阿蘇神社
肥前 佐賀 與止日女神社
千栗八幡宮
壱岐 長崎 興神社
天手長男神社
対馬 海神神社
厳原八幡宮神社